研修「敬語の使い分け」を学ぶ

研修

敬語を当たり前のように使っているとは思いますが、知らず知らずのうちに間違った敬語の使い方をしていることがあります。日本語の難しさはこの敬語にあるかもしれません。

後になって自分の敬語の使い方の間違いを指摘されると、今まで間違った敬語を堂々と使ってたことに恥ずかしさを感じてしまうものです。

社会人にもなると、お客様や取引先の方と話をするときに正しい敬語の使い方を知っていなければ、その人の能力レベルが低く見られてしまうことでしょう。

またそれだけでなく間違った敬語の使い方をしているスタッフがいると、会社の教育レベルも低く見られ、「あ~この会社はこの程度か……」と見下されることになります。

ですから知っているようで知っていない敬語の使い方を入社研修時に再確認させ、正しい敬語を使えるスタッフに育成しておく必要があるのです。

 

敬語の種類

敬語には大きく分けて「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つの種類があります

◆尊敬語:相手やその身内を高める表現

◆謙譲語:自分や自分の身内を低くし相手を高めようとする表現

◆丁寧語:相手に敬意を表すために言葉の語尾を丁寧にしたもの

丁寧語は単純に「~です」「~ます」「~でございます」をつけたものです。

例えば「行く」というのを「行きます」……「食べる」ということを「食べます」などごくごく普段から当たり前のように使っていると思います。

丁寧語のなかでも特殊な言葉がいくつかあります。

例えば

〈丁寧語〉

・あっち ・あちら
・こっち ・こちら
・きょう ・本日(ほんじつ)
・きのう ・昨日(さくじつ)
・おととい ・一昨日(いっさくじつ)
・あした ・明日(みょうにち)
・あさって ・明後日(みょうごにち)
・すこし ・少々
・どう ・いかが
・いくら ・おいくら
・すいません ・申し訳ございません

……などです。      

 

謙譲語は「自分を下げる」「へりくだる」「謙遜する」意味合いの言葉です。

尊敬語は「相手を上げる」ときに使います。尊敬する気持ちが言葉に込められています。

言葉がどのように変わっていくか下のようにまとめてみました。

 

  〈丁寧語〉 〈謙譲語〉 〈尊敬語〉
    自分達がへりくだる 相手を上げる
◆行く ・行きます

・伺う

・参ります

・いらっしゃる

・おいでになる

◆来る

・来ます

・参ります

・いらっしゃる

・おいでになる

・お越しになる

◆食べる ・食べます ・頂戴する ・召し上がる
◆いる ・います ・おります   ・いらっしゃる
◆会う ・会います

・お会いする

・お目にかかる

・会われる

・お会いになる

◆見せる ・見せます

・お目にかける

・ご覧に入れる

・お見せになる

・見せられる

◆見る ・見ます ・拝見する

・ご覧になる

・見られる

◆する ・します ・致します

・なさる

・される

◆言う ・言います

・申す

・申し上げます

・おっしゃる
◆知る ・知っています

・存じる

・存じ上げる

・ご存知

◆できない

・できません

・できかねる

・致しかねる

◆くれる(与える)

・くれます

・差し上げる

・下さる

・頂ける

 

 

尊敬語と謙譲語の使い分け

どのように尊敬語と謙譲語の使い分けたらいいのか、これだけではなかなかピンときませんよね。

話をするときにこれは謙譲語で……こっちは尊敬語で……なんていちいち考えながらはなすと訳が分からなくなります。

簡単に使い分けるコツは、話している相手が誰なのかによって「主語」に注意して尊敬語にするか謙譲語にするかを考えばいいのです。

例えば「社内の同僚」に社長が来ることを伝えるとき、主語は社長になりますので

 

「社長がいらっしゃいます」

「社長がおいでになります」

「社長がお越しになります」

……となります。

しかし「相手が他の会社の方」になりますと、自分にとっていくら目上の社長であっても、

弊社の社長が伺います

弊社の社長が参ります

……と弊社の社長=自分達がへりくだることになりますので謙譲語を使うことになります。

このように話す相手によって同じ主語(社長)であっても、謙譲語と尊敬語が変わるということになります。

 

自分が「相手の会社へ行く」ことを伝えるとき

私が伺います

私が参ります

……のようになり「私がいらっしゃいます」とか「私がおいでになります」とはなりませんよね。

 

そう考えると用語さえ知っていれば、主語によって使い分ければ良いだけですのでそんなに難しく考えることはないと思います。

 

尊敬語・謙譲語の使用例

では、これらをどんな場面でどのように使うか例をあげましょう。

主語(相手)が「お客様」「上司」の「尊敬語」の場合

◆お客様はこれから、どちらに

×:いきますか?

〇:いらっしゃいますか?

〇:おいでになられますか?

◆次回お客様がこちらに

×:来るのは 

〇:いらっしゃるのはいつですか?

〇:おいでになられるのはいつですか?

〇:お越しになるいつですか?

◆申し訳ございませんが、こちらに

×:来ていただけますか?

〇:ご足労願えますか?

◆ご都合ですが

×:あしたはいかがですか?

〇:みょうにちはいかがですか?

◆ご自宅に

×:いますか?

〇:いらっしゃいますか

〇:おいでですか

◆お客様は

×:今日中にご家族に会いますか?

〇:本日中にご家族様にお会いになりますか?

◆どうぞこちらを

×:食べて下さいませ

〇:お召し上がり下さい

◆こちらは

×:どうですか?

〇:いかがですか

◆お客様の 

×:欲しい商品はどちらでしょうか?

〇:ご要望の商品はどちらでしょうか?

◆お客様に

×:お見せ致しましょう

〇:お目にかけましょう

〇:ご覧に入れましょう

◆お客様がお持ちの品を

×:見せることはできますか?

〇:お見せ頂くことはできますか?

◆お客様に

×:聞かせましょう

〇:お耳に入れましょう

〇:お聞かせ致しましょう

◆こちらの実物の商品を

×:見ますか

〇:見られますか?

〇:ご覧になりますか?

◆お客様が

×:しますか?

〇:なされますか?

〇:されますか?

◆お客様がそれを

×:してくれるのですか

〇:してくださる

◆お客様が

×:言っていることはこのことでしょうか?

〇:おっしゃっていることはこちらのことでしょうか?

◆お客様は

×:あっちの商品を知っていますか?

〇:あちらの商品をご存知ですか?

◆このようなことは

×:できないですか?

〇:おできにならない

◆上着を

×:着たほうが良いと思います

〇:お召しになったほうが良いと思います

 

主語が「自分(自分達)」である「謙譲語」の場合

◆申し訳ございません。すぐに

×:行かせて頂きます

〇:伺わせて頂きます

〇:参ります

◆担当者がこちらに

×:来ます

〇:参ります

◆私は

×:あさって一日中こっちにいます

〇:みょうごにち一日を通してこちらにおります

◆お客様に

×:会うことができますか?

〇:お会いすることができますでしょうか?

〇:お目にかかることができますでしょうか?

◆折り返し

×:電話をします

〇:お電話をさせていただきます

◆お荷物を

×:持ちます

〇:持たせていただきます

◆あちらのものを

×:食べさせて頂きます

〇:頂きます

〇:有り難く頂戴致します

◆私がそれを

×:見ることができますか?

〇:拝見させて頂くことができますか?

◆私がそれを

×:しましょう

〇:致しましょう

◆そのことにつきましては私が

×:言います

〇:申し上げます

◆そのようなことは

×:出来ません

〇:致しかねております

〇:できかねます

◆有り難く

×:もらいます

〇:頂きます

〇:頂戴致します

◆お客様にこの商品を

×:あげましょう

〇:差し上げましょう

………などなどです。

 

お客様にとってお店のスタッフは、正社員だろうがパート社員・アルバイトだろうが、 そんな雇用契約のことはまったく関係ありません。すべてのスタッフがキチンとした敬語を使えることが当たり前だと思っているものです。

お客様はお店のスタッフである以上誰も甘やかしてはくれません。

適切に敬語が使えるようにしっかりと勉強しましょう。

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