社会人の電話マナーと伝達のしかた

研修

それぞれの作業場に1台ずつ電話機があって、電話対応を担うスタッフが特に決まっていない場合、仕事場の電話が鳴っても誰ひとりすぐに電話に出ようとしない光景が良く見受けられます。

それはみんなが「誰かが出てくれるだろう」……という希望的観測を強く抱いてしまうからなのでしょうか?それぞれ自分の仕事を抱えていて、電話に出るという仕事の優先順位が低いからなのでしょうか?電話の呼び鈴が3回以上鳴ってもなかなか電話に出ようとしません。

その一番の要因は、

どのように電話対応をすればいいか教わってない

電話機の操作方法を教わっていない

掛かってきた電話を誰にどう引き継いでいいのかわからない

……などにあります。電話対応や操作方法の研修を受けていなかったり、電話対応のルールが明確化されていなかったりすると、そのような現象がはびこる現場になってしまうのです。

電話のオペレーターという仕事ですと電話対応が仕事ですからそのようなことはないのですが、それ以外ですとキチンと研修をしないとそうなってしまうようです。

 

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電話対応の基本用語と転送方法のルール

まず最初に行う研修で一番メインとなるのが、一般的な電話対応です。

マニュアルを作りそれを明確にして全員同じ対応ができるように電話対応用語と電話機の操作方法を研修します。(電話機の操作方法は、例として示します)

電話受付の基本対応用語

電話がなったら、電話機に一番近い人呼び出しコール3回以内で受話器をとります。

呼び出しコール3回以上のときは「大変お待たせ致しました」を頭につけます。

お客様が目の前にいるつもりで姿勢を正して話をしましょう。

 

<H:電話受付者  D:取引先  C:お客様  S:スタッフ〉

H:「有難うございます、〇〇店 〇〇と申します」

(必ず自分の名前を言います)

W:「B社のDと申しますが、〇〇主任をお願いします」
H:「D様ですね、いつもお世話になっております」

(相手の名前を復唱して確認します)

(相手が名乗らないときは)  

H:「失礼ですが、お名前を伺えますでしょうか?」

……とお名前の確認をします。

            

H:「只今おつなぎいたします」

「少々お待ちくださいませ」

……とここで担当者にTELを引き継ぎます。

直接部門に電話転送する場合

……(保留)→(部門)→(♯)  

で、伝達を受ける側の部門のTELがスピーカーとなり、手ぶら方式で伝達を受けることができます。

H:「B社のD様から〇〇主任に③番です」
S:「はい」 

(③番とは、使用回線の番号 ①~④回線あるうち、かかってきた回線番号のことです) 

電話受付者Hは受信を伝えたら、受話器を置きます。

 

主任が不在の場合や接客中等の場合は、転送を受けた部門スタッフが変わりに対応します。 

S:「申し訳ございません、只今主任の〇〇は、席をはずしておりますので、折り返しお電話させて頂いてもよろしいでしょうか」
W:「はい、お願いします」
S:「有難うございます」  

「お名前とお電話番号をお聞かせ下さいますか」

W:「B社のDと申します」  
「電話は、携帯の方にお願いします」  
「電話番号は、〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇です」
S:「よろしければ、ご用件を承りますが」
W「それでは、〇〇の件について…とお伝えください」
S:「有難うございます」  
「では、復唱させて頂きます」  
「お電話番号〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇B社のD様で」  
「ご用件は〇〇の件ですね」   
「わたくし〇〇が承りました、失礼致します」

※相手の受話器を置く音を確認後受話器を置き、伝言メモに記載します。

 

〈転送時にしてはいけないこと〉

  • 保留の許される時間は30秒までです。
  • 各部署に転送された電話を「主任はいませんから……」と突き返し、電話受付者に対応をさせてはいけません。必ず転送を受けた「部門スタッフ」が即対応します。なぜならば、現場のほうがその場の状況がよく見えるからであります。
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店内放送で電話転送する場合

H:「B社のD様から〇〇主任に③番です」

……と、電話を受けた人が直接、部門スタッフに連絡をします。

S「はい」

その場に主任がいなければ部門スタッフは、店内放送で主任に電話がかかってきていることを伝え電話を転送します。

 

(保留)→(店内放送ボタン)

「本日も〇〇店ご利用頂き、誠に有難うございます」  
「業務連絡を致します」  
「〇〇部〇〇主任 ⑦③番です」

……放送終了後、受話器を置きます。

受信を聞いた〇〇主任は近くにある受話器を取り③のボタンを押すと相手に繋がる……という流れです。

どこかで〇〇主任が電話に出ると、使用回線③番の赤色の点滅ランプが緑色の点灯に変わります。

店内放送をした部門スタッフSさんは、緑色の点灯を確認(主任が電話に出たことを確認)するまで20秒待ちます。

 

赤色の点滅ランプが、20秒たっても緑色に変わらない場合

 主任が電話をとっていないと判断されますので、部門スタッフSさんは上記の不在対応をします。

 

店内放送での電話転送ルール

電話がかかってきていることを店内放送でスタッフに伝えるとき、簡単明瞭に伝えなければならないため、数字を言えば伝える内容がわかるようにルールを作り周知させておきます。

≪店内放送の伝達番号(例)≫
社内(他店舗)スタッフより……60番台
お取り引き様より………………70番台
お客様より………………………90番台
社長より………………………100番台

上記番号に、かかってきた使用回線①~④の番号を一桁目につけて放送します。

(例)

お客様(90番)から2番の回線にかかってきたら、2番の使用回線ボタンが赤色の点滅ランプになりますので、「92番です」 ……となるわけです。

これが店長宛ですと

「本日も〇〇店ご利用頂き、誠に有難うございます」
「業務連絡を致します」
「店長、92番です」

………となります。

 

店内放送での業務連絡ルール

レジ応援を要請したい場合

レジ応援要請…………………40番台とすると

40番にプラス、一桁目に応援を要請したいレジ番号をつけます。

(例)5番レジ4番レジに応援を要請したいとき

「本日も〇〇店ご利用頂き、誠に有難うございます」
「業務連絡致します」
「45番、44番お願いします」

 

怪しい人を発見した場合は、

乙姫の花笠さんによるイラストACからのイラスト

万引き、挙動不審者、酔っぱらい等の緊急時……99番

(例)

●酔っぱらいが3号レジでからんでいるとき

「業務連絡、99番43番(レジ番号)お願いします」

●挙動不審者が「乳製品売り場」にいるとき

「業務連絡、99番乳製品売場お願いします」

99番の業務連絡は、 店長・副店長・警備担当が対応します。

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社会人として身に付けたい「電話対応用語」

「社会人として身に付けたい電話での言い回し」について研修します。

●電話をかけたとき、受ける側の都合を確認します。
「今、お電話大丈夫でしょうか?」

 

●いつも電話ばかりでなかなか会えない方に使います。
「いつも電話ばかりで失礼しております」

「お会いしてお話するのが礼儀なのですが」…という意味が含まれています。

 

●先方へ出向いて謝るのが筋ですが、取り急ぎお詫びをするとき

 

「電話で大変申し訳ありません」
「後日改めてお伺いしますが、取り急ぎお詫びを……と思い、お電話させて頂きました」

 

 

●夜9時以降に電話するとき に使います。
「夜分恐れ入ります」(夜分失礼します) 

 

●休日の相手に電話をしたときに非礼をお詫びをします。
「お休みのところ誠に恐れ入りますが」

 

●伝言の頼みかた・頼まれかた

たまたま電話を取った相手に、伝言を依頼するとき

「おことづてをお願いしたいのですが」……

伝言や用件を、頼み終えたあとに

「お手数をおかけして申し訳ありませんが、宜しくお願い致します」

 

電話で伝言を頼まれたとき

「かしこまりました。わたくし〇〇が申し伝えます」

 

●間違い電話のときの対応

<間違い電話をしてしまった場合>

「失礼しました、番号を間違えたようです」

番号が不確かなときは

「失礼ですが〇〇〇-〇〇〇〇ではありませんか?」

……と確認しても良いでしょう。

<間違い電話がかかってきた場合>

「失礼ですが、何番におかけですか?」

……と、かけてきた相手に、冷静に問いかける言葉です。

 

●電話を受けるとき言葉

頂いた電話で自分からの用件を伝えたいとき

「頂いたお電話で失礼ですが、よろしいでしょうか?」

……と伝えたい自分の用件があるとき、相手の用件が終わった後でひとこと断ってからお伝えするのが大人のマナーです。

 

頂いた用件を確認するとき

電話の相手は、日時・電話番号・人名・住所・用件など間違いなく伝わったかを不安に思っているものです。復唱して、相手の不安解消と聞き違い防止のために行います。

「念のため復唱させて頂きます」

間違えやすい言葉は言い換えて確認したほうが良いでしょう。

(例)

「2時」を14時

「7時(しちじ)」を「ななじ」

誰もが率先して電話に出るように、しっかりとした研修を行い、電話対応を率先的に行っていることが評価基準項目のひとつにあることも認識させましょう。

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