「働く」……ということは「社会人として基本的対応ができること」が当たり前のように要求されます。
入社したら一人一人が会社の顔になり、個々のスタッフがお客様に与える印象がその会社のイメージとなってしまいます。
一人の接客の悪いスタッフに対応されたお客様は、そのスタッフのイメージそのものが会社のイメージになってしまうということです。
ですから、まずは「社会人としての基本的な接客マナー」のスキルを研修を通して身につけてもらわなければなりません。
ステップ・アップ・プランとは
接客業であれば一番最初に身につけてほしい基本的な項目は「あいさつ・接客マナー」になるでしょう。
この基本的な「あいさつ・接客マナー」のスキルを身につけていく研修を「ステップ・アップ・プラン」としていきます。
ですから「ステップ・アップ・プラン」…とは、商人としてあるべき「基本的なスキル」を身に付けるためのプランということになります。
入社したからといってすぐに実戦現場に出さず、この「ステップ・アップ・プラン」をクリアできるまで研修は裏方で行います。
基本的項目は別途それぞれの研修マニュアルにそってスキルを身につけていただき、その能力査定を下記のスキルレベルメーターで採点していきます。
≪ステップ・アップ・プラン≫
部門 氏名 入社日
トレーニング項目 | スキルレベルメーター | |||||
〈あいさつ・接客〉 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | |
◆笑顔(スマイル) | 自然な笑顔・好感度・笑顔アピール度 | |||||
◆あいさつ・返事 | アイコンタクト・姿勢 | |||||
◆発音・発声 | 声の大きさ・トーン | |||||
◆早口言葉 | なめらかさ | |||||
◆接客用語 | 掌握度・聞き取りやすさ | |||||
◆敬語の使い方 | 掌握度・使い分け方 | |||||
◆接客マナー | 掌握度 |
〈TEL対応〉 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | |
◆機械操作方法 | 使いこなし掌握度 | |||||
◆対応用語 | 掌握度 | |||||
◆伝言判断 | 適切な伝達対応がとれるか |
〈初期クレーム対応〉 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | |
◆対応手順 | 掌握度 | |||||
◆対応用語 | 掌握度 | |||||
◆対応判断 | 適正度 |
ステップ・アップ・プランの活用方法
「ステップ・アップ・プラン」項目のトレーニングの期間は、おおよその目安として7日間くらいを見込んでスキルレベルメーターをあげていき、すべての項目で5ポイント到達を目指して努力して頂きます。
すべて3ポイント以上到達するくらは常識的なレベルとして、働く上での必要最低限のラインとしていきます。
このレベル段階がスタート時レベルとし、そこまで至らない場合は本採用を見送ることも視野に入れなければなりません。
「ステップ・アップ・プラン」の項目をすべて3ポイント以上クリアしたら、次に現場での技能研修「キャリア・アップ・プラン」へと進めるようにします。
研修の進め方の心得
これらのように、入社した翌日からいきなり現場に出し見よう見まねでやらせるのではなく、現場に出す前にしっかりと研修をして、ある程度のレベルに達してから現場での技能研修を行うようにするのです。
入社したばかりは何をすればいいかわからず不安感でいっぱいですし、失敗を恐れて何もできません。
そこへ何も教わらず現場に放り込まれたのでは不安感が募るばかりですし、いらぬ失敗も大いに発生してしまいます。
その失敗に対して先輩スタッフが「そんなこともできないのか……」とばかりに嫌な顔をしたり、起こったりすれば「この会社では働いていけない……」と辞表を出されてしまうことになります。
入社早々そんな教育方法をとっていたのでは、定着するスタッフは少なくなります。
既存スタッフにとって何でもない簡単な仕事でも、右も左もわからない入社早々のスタッフには ”ひとつひとつが大変なことである” ことを理解しなければなりません。
ですから入社早々すぐに現場には出さず、研修期間の第一段階の「ステップ・アップ・プラン」により社会人として基本的なことをマスターしながら会社の雰囲気に馴染ませて、慣れていくことから始めなければならないのです。
ステップ・アップ・プランの目的
自分の成長レベルが明確に見える「ステップ・アップ・プラン」によって細かい項目で評価を受けることに慣れていくメリットもあります。
人は誰でも「向上心」や「評価されたい心」を持っているものです。
人は「モノサシ」となる評価基準もない中で給与・時給が上がってもなかなかピンときません。
しかし、それが明確化され自分の努力によって評価を得られたものだと実感できると、仕事ができるようになる楽しみや「やりがい」を感じられるようになるのです。
ですから研修マニュアルという「覚えるべき項目が何か」……がわかるようにしてそれぞれの研修マニュアルにそってスキルを身につけ、自信をつけていってもらうと良いでしょう。
「ステップ・アップ・プラン」をクリアしたら、次に技能研修の「キャリア・アップ・プラン」へ進みます。
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