クレーム内容には、異物混入・変色・接客態度に関することが多いものです。
この中で異物混入・変色など、商品の異変についてのクレーム対応の流れを解説します。
お客様が商品クレームのために来店された場合
店内で最初に商品クレームを受けた時点での対応
お客様が家に持ち帰った後に異変に気付き、その商品を持参し再度来店された時点で、最初に商品クレームを受けた人の対応は
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- わざわざお店に再度、足を運ばせてしまったことと、ご不便をお掛けしてしまったことについて真摯にお詫びを重ねます。
- 速やかに店長または各部署の責任者を呼びます。
「只今担当者を呼んでまいります」
「少々お待ちくださいませ」
店長または責任者の対応
レシートと商品を確認させていただき、瑕疵責任がすぐに断定できない場合
その場で直ちに代わりの商品と交換させていただき、後日検証結果をお知らせする旨を伝え、お客様の氏名・電話番号・住所をお聞きします。
その瑕疵責任が自分たちのミスまたはメーカーによるミスにより発生したものだとその場で確認できた場合
……と、
- 再度足を運んで頂いたことに対して感謝の意を示します
- 当方のミスであることをお詫びをし
- 迷惑をかけたお詫びをします。
お客様が言いたいことを主張されているときは、お客様の話を最後までよく聞き、お客様の話に相ずちを打ちます。まずはお客様の言い分をすべて受け入れる姿勢で対応します。
「はい、ごもっともでございます」
「はい、よく分かります」
「ご指摘の通りです」
「弁解の余地もありません」
こちらの落ち度や考えられる原因など説明したうえで 商品交換、もしくは返金を行います。
「ひとまずこちらが代替え商品でございます」
(または「こちらが商品代のご返金でございます」)
そのうえでお詫びの品を添えるとよいかと思います。
「今後ともご愛顧のほど宜しくお願い致します」
※苦情を訴えるお客様の心理は
「きちんと誠意を持って対応してくれるかな~」
「疑われたら嫌だな」
……などです。
誠心誠意、心を込めて対応しましょう
商品クレームの電話を頂いた場合
最初に商品クレームを受けた時点での対応
電話で最初に商品クレームを受けた人の対応は
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- ご迷惑とご不便をお掛けしていることについて真摯にお詫びを重ねます。
- 商品名、購入日、商品の状態、お客様の氏名、電話番号をお聞きし、担当者から直ちに折り返しのお電話を差し上げることを伝えます。
- 速やかに店長または責任者にその内容を伝達します。
店長または責任者の対応
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- 直ちにお店に並んでいる同じ商品の状況を確認します。
- 即刻お客様に電話をして商品の状態を詳しくお聞きします。
- 商品のお引き取りと代替え商品をご自宅まで直ちに持参する旨を伝えます。
「この度はご不便をお掛けし大変申し訳ございません」
「〇〇のお品が〇〇(状態)……ということですね」
「お品物は引き取らせて頂き原因を調べますので、そのまま保管願えますでしょうか?」
※相手の受話器を置く音を確認後に、受話器を置きます。
〈即、担当者と店長で先方のお宅へ出向きます〉
(持参するもの)
- 代替え商品…(生鮮品はクーラーBOXにいれて)
- (もしくは返品の場合を考慮して、商品代を封筒にいれて)
- お電話代…封筒にいれて
- お詫びの品…瑕疵担保責任が明らかな場合、その度合いにより判断します。
- お客様の住所・電話番号・氏名をメモしたもの
基本的にクレーム解決に掛かる費用は以上の通りになりますが、慰謝料やクレームのために再来店するために掛かったといわれる交通費などの高額な請求があった場合は即答せず、その件に関しては後日再度ご自宅へ伺い対応する旨を伝えるとよいでしょう。
〈電話でクレームを受けたときの心得〉
電話口で怒りの感情をむき出しにしている場合はとくに、電話で長々と話を続けることは得策ではありません。 お客様の怒りの感情にさらに火をつけるようなものです。
できるだけ早く、お客様のご自宅まで伺い、商品の状況を確認しに行く姿勢が大事になります。
直接お会いしてお話をすると、意外なほど冷静にお話ができるものです。
それに、私たちの話にも聞く耳を持っていただけます。
あせらず、怖がらず、謝罪の意志を示し、変に言い訳をせず、 素直に接すれば、たいていのお客様には理解して頂けます。
クレームのお電話を頂いたとき「今忙しいからお客様のご自宅まで行く時間がない」「できればもってきてもらえないかな~」……などと、 “お客様にこちらに来てもらいたい”という気持ちや姿勢は排除する事です。
(ダメな例) C:お客様 S:担当者
(例:1)
「ではこれから替わりのメロンをお持ちします」
これでは言葉が軽すぎるのとひっぱく感が感じられないので「直ちに・早急に」などといった言葉を使うことがが適切です。
(例:2)
「それでは後日、こちらにお越しの際にお声を掛けて下さい。ご返金させていただきます」
……そして後日、ご来店されたお客様にご返金してクレーム対応を終了としました。
さあ! 果たしてこんな対応で良いでしょうか?
この対応方法にはまず、痛んだものを販売してしまった状況把握ができないのと、お詫びの姿勢がまったく伝わってきません。
それに
「お客様のお宅に行くのが面倒くさい」
「返金だけで簡単に済ませられないだろうか…」
という姿勢がありありと伝わってきます
もしこのよう、痛んだクレーム対象商品を確認せずに、お客様の言い分だけを信じて、処理する方法がまかり通ったらどうなるでしょうか?
…にもなり得ます。
このような目先の対応で済ませていると、 悪質なクレームが増えていく可能性も示唆できます。
安易な返金・交換は、金銭事故に繋がります
商品クレームの際は、必ず直ちにお客様のお宅へ足を運ばなければなりません。
お客様宅へ行かず、「次回ご来店時に返金させて頂きます」が了承されるケースは 、売価設定ミスなどで、商品代を余計に頂いてしまい 、「次回来店時に返金してくれればいいよ」・・・との申し出が、お客様からあった場合に限ります」
(例)
「では、次回ご来店の際に、サービスカウンターに、
お買上げレシートをお持ちいただけますでしょうか」
「この度は当方の不手際でご迷惑をお掛けし 大変申し訳ございませんでした」
「私〇〇部の〇〇が、承りました」
「お客様のご来店をお待ち申し上げております」
…となります
では次は、訪問先でのクレーム解決方法について考えます
訪問先でクレームを解決する方法
クレームの電話を受けて、お客様のお宅に訪問したときの対応例を紹介します
①まず第一に、真摯にお詫びを何回も重ねます
「こちらの商品ですね 」
②瑕疵担保責任が当方にあることが明らかな場合
「多大なるご迷惑をお掛けし大変申し訳ございませんでした」
③お客様が話始めたら、最後までよく聞きます
④お客様の話に相づちを打ちます
⑤お客様の言い分をすべて受け入れます。
⑥エンディング処理
(もしくは「商品代のご返金になります」)
「そして、こちらがお電話代と」
「こちらは心ばかりではございますがどうぞお納め下さい」
(お詫びの品を両手で渡す)
「今後は二度とないよう十分注意します」
「どうか今後ともご愛顧のほど宜しくお願い致します」
~帰社後、クレーム報告書作成し提出する
瑕疵担保責任がどこにあるか確定できない場合は、代替え商品を渡し後日検証結果をご報告する旨を伝えクレーム対象商品を持ち帰ります。
クレーム対応をした際、その場で処理を終えるのが基本ですが、昨今では、原因究明・安全の根拠・改善対策が問われる時代になってきました
その場限りの「ご返金」や「お取り替え」だけでは通用しない例が増えて来ています
企業として改善対策等を書面で求められる方式が主流です。
しかも回答しても一度で納得されず、時間の要するケースも増えてきています。
調査報告の際、改善対策や再発防止について、「スタッフ一同で気を付けます」とか 「徹底的に注意します」などの精神論では通用しません。
発生原因の、調査結果と再発防止についての改善策や、防止策を具体的に書面にて、後日持参し、ご納得を頂けるまで続けます。
クレーム解決は大変なことです。お客様にご迷惑をお掛けしないよう、未然に防ぐ防止策を整え、万全の態勢で、緊張感をもって従事しましょう。
クレームにもより対応に困難な事例も多々あります。
そういう場合は、「難問クレームトラブル・クレーマー対処方法」をご覧ください。
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