店舗営業中の災害時スタッフの役割は?

研修

お店での業務を遂行中、地震・火災などの災害が発生したら即その場で作業を中断し、レジで金銭授受の途中のものは一括取り消しをしてお金を返し、ドロアーの鍵を閉めて抜き取り、それぞれが担う防災対策班としての役割に従事します。

それぞれの部署で全ての役割を速やかにこなせるように、各部署に全ての班員を配置するように人選をおこなうと良いでしょう。

 

消化班の班員の役割

火災の発生の報告を受けた場合

近くの消火器を持ち火災現場へ直行し消化活動をします。

自力の消火ができず、火が天井まで上がってしまったら119番通報して広報班に連絡をします

地震が発生した場合

ガスの元栓やコンセントを抜くなどが完了しているかなど……各部署の危険物・危険個所の安全確認の声掛けをして出火防止警戒行動をとります。

 

広報班の役割

非常時には被災状況、危険箇所の把握、避難状況等の情報を収集し「119番、消防署への通報」をし、店内放送等で適切に伝達・報告をします。

火災で119番通報する際、把握しておくこと

  • 燃えているもの、炎の大きさ、煙の色
  • 逃げ遅れの有無、けが人の有無
  • 燃え広がっていないか

 

救急で119番通報する際、把握しておくこと

  • 名前・年齢・性別
  • 意識・呼吸の有無
  • 事故状況
  • 傷病者の様子(痛い・苦しいなどの負傷箇所、出血の有無)
  • 持病や掛り付けの病院

また119番通報が完了したかどうかを確認する際に注意しなければならないことがあります。

日本語は誤解されやすい言葉で、「119番、電話しました」……という言葉は、 質問の「電話しました?」と、すでに電話済みですよ…の「電話しました」…の、どちらにも聞きとれることです。

「119番、電話しました?」と誰かが質問したにもかかわらず、 その「電話しました?」を、もうすでに「誰かが119番通報してくれたもの」と思い込んでしまうこともあるのです。

そうなると、 いつまでも救急車・消防車が来ない…という大変な事態になります。

助かる命も助からなくなってしまいます。

ですから「119番連絡済です」とか「119番通報、完了しました」…などと、報告の仕方・用語も誤解が発生しない言葉で報告するよう統一しておいたほうが良いです。

※大震災の場合は救急車は来てくれないことは把握しておきましょう。

119番通報が完了したら、店内スタッフ・お客様に災害の情報をお知らせしなければなりません。

店内放送をする際、あわてずゆっくりと言葉をひとつひとつ区切りながら連絡します。 

≪店内放送例≫

「只今、地震が 発生 しました。」
「この建物は 安全です。落ち着いて 行動してください」
「頭上への 落下物、陳列棚の 横転に 注意して下さい」
「只今から 避難誘導を 致しますので、買い物カゴは その場におき、一番外側の 通路に お集まり下さい」

 

只今 火災報知器が 作動しました。
 只今、火災の 有無を 調べています。 今後の 店内放送に 注意して下さい。
念のため 今は エレベーターを 使わないで下さい。
近くの 非常口を 確かめて おいて下さい。

 

◯◯階の ◯◯で 火事です! 
避難誘導班スタッフが 非常口を 案内 します。 近くの 非常口から 建物の  外へ 避難 して下さい。 
危険ですので 押し合わず 落ち着いて 行動して下さい。
 エレベーターは 危険ですので 階段を 使って 下さい。
煙が 浸透している ところは 煙を 吸わないように 体を 低くして 避難して 下さい。
ハンカチや タオルが あれば 鼻と 口に あてて 下さい。

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避難誘導班の役割

速やかに非常口の扉を開け「避難経路」を確保します

お客様をブロックに分け、それぞれの非常口からの避難指示を出します。

※人が交錯すると危険なので同一方向への流れをつくります

※火災現場から離れていくよう避難誘導をします。

火災の際は自動で閉まる防火扉が各通路に設置されていると思いますが、その防火扉の前に障害物が置かれていないかパトロールします。

 

地震の際はお客様を外に誘導した際も外の落下物等に注意します。

 

安全確認班の役割

火気の使用中は使用を止め、ガスの元栓を閉めます

地震の際は水道の元栓を閉めます

電化製品のコンセントを抜きます

喫煙上の火の始末は十分か……など、危険物・危険個所の安全確認をします。

全員を避難させら電気ブレーカーを落とします

 

救出班の役割

トイレや倉庫など逃げ遅れている人がいないか、動けなくなってしまっている人はいないか店の隅々まで確認をし被災者の救出をします。

バックヤードは防火シャッターが作動しますので取り残された人がいないか必ず必ず確認します

原因の把握、事故発生から一連の流れを、「誰が」「どうして」「どうなったか」「何をしたか」 「何を言ったか」……など時系列で、できるだけ正確に記録しておきましょう。

倒壊物などに挟まれるなど生き埋め者を発見した場合は、震災の時間から救出するまでの時間、または消防に引き継ぐまで要した時間を把握しておきましょう。消防や警察等に聞かれます。

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救護班の役割

けが人が出た際にAEDや包帯・三角巾・冷却材・消毒剤・止血剤・包帯・ガーゼ・絆創膏などの救急資機材を使用し応急手当をして救急隊が到着したら引き継ぎます。

災害時でなくても平常時に店内でお客様が病気で倒れたり怪我をしたりする事態も起こりえます。

その際は救護班が応急処置をし、必要であれば広報班に来てもらい119番通報をしてもらうようにします。

 

お客様が店内で怪我をした場合

①できる範囲で怪我の応急処置をします

②救急車の手配をするか本人に確認をします。

周りの人が救急車を呼んだ方がいいと思っても、本人に救急車に乗る意思がなければ、救急隊は無理に乗せることはできません。本人が救急車を必要とした場合、広報班が119番通報をします。

 

お客様が倒れ意識がない場合

倒れた場所から移動させず、他のお客様から見えないようにブルーシート等でまわりを囲います。

反応も呼吸もない場合はAEDを要請するとともに広報班に来てもらい119番通報します。

救急班は直ちに胸を強く圧迫したりAEDで心肺蘇生をします。

 

呼吸確認をし、呼吸がない場合

①胸骨あたりを両手を重ねて30回圧迫します

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②あごを持ち上げ頭をのけぞらせるようにし気道を確保します

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③人工呼吸 (人工呼吸をためらわれる場合は、胸骨圧迫を続けます)

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誰でもできる心肺蘇生で、救える命があることを認識しておきましょう。

お客様が持病などお店とは関係のないことで倒れた場合でも、救急車に同乗して病院に同行します。

お店のスタッフは救護を受けるお客様に対する適切な対処と、その場に居合わせたほかのお客様への配慮をしなければなりません。

※救護班は平常時に日本国内で無料で開催されているAED講習を受講しておきますimagesB4DHXBM8aed7[1]

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