社員・スタッフを採用して即、現場作業を教えるような教育スタイルであると、ただ目先の作業をこなすことだけに周知し「どのような思いがあってその作業をするのか」もわからずに仕事を作り上げてしまいます。
それぞれ各々が自分のやり方や思いで仕事を作り上げてしまったあとで「それは違うよ……」と指導してもなかなか直すことができなくなります。
そうなると会社はいろいろな考え方を持って集まる組織ですから、それぞれが思い思いのまま個々の判断基準で仕事を作り上げてしまうため、会社が目指すものとは微妙に違う方向に進んでしまうこともありありです。
それぞれのスタッフがバラバラの考え方を持って仕事をしていると、企業活動に支障が生じてしまいます。
そこで必要になるのが統一された「行動指針」なのです。
行動指針はスタッフが仕事をこなす上で「どちらの方向へ、どのように進んでいけばいいのか」という方位磁針であり、行動するときの基盤でもあります。
経営理念は「創業者の信念や会社の存在理由」であり、経営方針はその経営理念をどのように実現していくかを具体的に示したものとなりますので、行動指針はそこに向かうための羅針盤となるのです。
経営理念と行動指針
例えば経営理念が下記のようだとすると
≪経営理念≫
①美味しさで喜びと満足感を提供し お客様の幸せに貢献する
②スタッフの人生が豊かになるよう 「生きがい」の場を提供し幸せになってもらう
③食を通じて地域社会に貢献する この理念を成し遂げるための方策を説明します。
それぞれの事案をどう考え、どう判断し、行動を決定していくか…考え方の基盤を明確にする行動指針を確立しておく……ということです。
行動指針の作り方は企業によって様々で特に決まりはありませんが、企業の経営理念に向かった模範的な行動をピックアップして作ると良いでしょう。
例えば簡単な≪行動指針≫をあげますと
安心安全を最優先に考える〈Safety〉
・お客様が「安全安心」を感じられることをする
・ケガ、事故発生の可能性のあるものを除去する
・手洗いなどの衛生管理を最優先に考える
礼儀の必要性を重んじる〈Greeting〉・すべてのお客様にあいさつをする
・すべての人に敬意を払う
・温かく親切にもてなす心で気を配る
美味しさの追求をモットーに〈Delicios〉・常に、「それはどのくらい美味しいの?」を判断材料とする
・「もっと美味しいものを…」を合言葉にする
お客様が楽しめる空間を作る〈Entertainment〉・さまざまな娯楽とくつろぎ、癒しの空間を演出する
・お客様にサプライズ感と感動を提供できるかを判断する
・サービス精神旺盛な心であたっているか自己分析をする
清潔・キレイを維持〈Cleanness〉・何事においても清潔
・キレイであることにこだわって行動する
・整理整頓しながら作業をする。散らかさない。
・使ったらもとの場所へ戻す
……などなどを土台にして物事を判断するようにします。
評価基準にも直結させて士気を高める
評価は行動指針に直結した項目を作ると良いでしょう。
「行動指針に則った行動をしていると評価が良い」……となると、社内に行動指針を浸透させることができます。
それにより多くのスタッフのモチベーションの向上と労働意欲が増大します。
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